環境が厳しいのに、伸びている会社がある
景気が不安定だと言われる中でも、着実に成長している中堅・中小企業は存在します。
一方で、同じ市場・同じ条件に見えても、伸び悩む企業も少なくありません。
この差は、業界や運の問題だけでは説明できません。
実務で見ていると、共通する“考え方の違い” が浮かび上がってきます。
よくある誤解|環境が良くなれば伸びる
景気が悪いと、「環境が良くなれば持ち直す」と考えたくなるものです。
ただ、伸びている会社は、環境が好転することを前提にしていません。
むしろ、環境は揺れ動くものだと捉え、その前提で判断を積み重ねています。
共通点①|戻る前提を置いていない
伸びている会社の多くは、次のような前提を置いています。
- 景気は周期的に揺れる
- コストは下がらない前提で考える
- 人材は常に制約条件である
つまり、「元に戻るまで待つ」という発想がありません。
この前提の違いが、判断のスピードと質を大きく左右します。
共通点②|すべてをやろうとしない
不安定な環境下では、やるべきことが増えがちです。
しかし、伸びている会社ほど、やらないことを明確にしています。
- 取らない顧客
- やらない事業
- 投資しない領域
ここを決めることで、限られた資源を一点に集中させることができます。
共通点③|短期と中長期を切り分けている
伸びている会社は、すべてを同じ時間軸で考えません。
- 短期で耐えること
- 中長期で変えること
この2つを分けて考えています。
短期対応を中長期戦略の代わりにしてしまうと、いつまでも状況は改善しません。
共通点④|「数字の意味」を読み取っている
数字を見ていないわけではありません。
ただし、伸びている会社は数字を判断材料として使っています。
- 売上が下がった理由は何か
- 利益率の変化は構造的か
- 一時的なブレではないか
数字を感情的な評価ではなく、構造を読むための材料として扱っています。
共通点⑤|変えられない前提を受け入れている
伸びている会社に共通するのは、変えられないものと無理に戦わない姿勢です。
- 人口動態
- 市場構造
- 技術の進展
これらは嘆く対象ではなく、前提条件として受け入れるものとして扱われています。
その上で、自社が変えられる部分に集中しているのが特徴です。
見落とされがちなポイント|特別なことはしていない
成功している会社を外から見ていると、「特別な施策をやっているのでは」と思われるかもしれません。
しかし実際は、伸びている会社ほど派手なことはしていません。
- 判断の順番が整理されている
- 前提が共有されている
- 意思決定がブレにくい
この地味な差が、時間をかけて大きな差になっています。
経営判断に使える整理軸
環境が不安定な時代に、判断を安定させるためには、次の問いが役に立ちます。
- これは環境依存の問題か
- 自社の選択の問題か
- 短期対応か、中長期の設計か
この問いを通すだけで、判断の精度は大きく変わります。
次に考えるべきこと
ここまでで、環境が厳しい中でも伸びる会社の考え方の共通点を整理しました。
次に向き合うべきテーマは、人手不足という前提を、どう経営に組み込むかです。
次の記事では、人手不足は本当に一時的な問題なのかを整理していきます。